給与前払いサービスの手数料は誰が負担する?相場や種類など全まとめ
前払い制度を導入する際は、給与前払いサービスを活用することで関連業務の負担を軽減できます。
しかし、給与前払いサービスの利用で発生する手数料の種類や負担額などが気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、
などをお伝えします。
振込手数料が無料になる給与前払いサービスも紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
給与前払いサービスの手数料には大きく2種類がある
給与前払いサービスの利用で発生する手数料は、大きく次の2種類です。
さっそく、順番に見ていきましょう。
【種類1】システム利用料(月額費用)
システム利用料(月額費用)とは、給与前払いサービスの利用で発生する手数料のことです。
多くの給与前払いサービスでは、導入企業にシステム利用料を負担してもらうことで、サービスの継続的な運用を可能にしています。
すべてのサービスが当てはまるわけではないものの、システム利用料には「基本料金部分」と「従量課金部分」があります。
基本料金部分は、月額20,000円・月額55,000円のように、毎月決まった金額の企業負担が発生するイメージです。
公式サイト上では、基本料金部分を「ランニング費」と記載しているサービスもあります。
一方で、従量課金部分は、
など、金額の取り方はサービスごとに異なります。
まとめると、システム利用料には「基本料金部分」と「従量課金部分」が存在し、従量課金部分はさらに「定率型」と「定額型」があるイメージです。
1. 定率型
定率型とは、給与前払いサービスの利用申請額に応じて何%のシステム利用料(月額費用)が発生するかを事前に決めておくタイプです。
例えば、10,000円分を利用した場合、定率3%だと300円、6%だと600円のシステム利用料が発生するイメージです。
定率型は、従業員の給与前払いサービス利用申請額が増えれば増えるほど、システム利用料の負担額も大きくなります。
2. 定額型
定額型とは、従業員が給与前払いサービスを利用した回数に応じてシステム利用料(月額費用)が発生するタイプです。
例えば、「利用回数×220円」で設定されている場合、従業員が給与前払いサービスを1回利用するごとに220円ずつシステム利用料が発生するイメージです。
定額型は、従業員の給与前払いサービス利用回数が多ければ多いほど、システム利用料の負担額も大きくなります。
【種類2】振込手数料
振込手数料とは、前払い金を指定口座へ振り込む際に発生する手数料のことです。
振込手数料の金額は、給与受取口座を登録する銀行や利用者の口座との兼ね合いでサービスによって差がみられます。
「利用回数×〇〇〇円」の形で発生することが一般的です。
なお、特定の銀行で口座を開設した場合や、アプリを通じて前払い金を受け取った場合など、一定の条件下で振込手数料を無料にしているサービスも存在します。
給与前払いサービスの手数料は誰の負担?
給与前払いサービスの手数料は誰が負担すべきか、気になっている方もいることでしょう。
そこで、システム利用料(月額費用)と振込手数料を負担する対象について解説します。
システム利用料(月額費用)は企業負担が原則
給与前払いサービスのシステム利用料(月額費用)は、企業負担が原則です。
なぜなら、システム利用料(月額費用)を従業員負担にすると「利息制限法」に抵触する恐れがあるからです。
例えば、給与前払いサービスには「立替型」と呼ばれるシステムがあります。
「立替型」はその名のとおり、前払い資金をサービス提供企業が立て替える仕組みです。
サービス内容にもよりますが、立替型の場合、発生する手数料を従業員の負担にすると「貸付利息」とみなされ、金額や給料日までの日数によっては利息制限法で定める上限金利を超えてしまう恐れがあります。
なかには従業員からシステム利用料を取るサービスもありますが、「コンプライアンス的にグレーである」と問題視されているサービスが存在することも事実です。
給与前払いサービスの導入を検討する方は、システム利用料(月額費用)は企業負担が原則であることを覚えておきましょう。
なお、給与前払いと関連する法律の詳しい解説が知りたい方は、下記記事をご参照ください。
振込手数料は従業員負担が一般的
給与前払いサービスの利用で発生する振込手数料は、従業員負担になっていることが一般的です。
しかし、労働基準法第24条で「全額払いの原則」が定められており、この原則に反していないか懸念する意見も聞かれます。
給与は従業員へ全額支払うのが原則であるにも関わらず、手数料を負担させると「全額払い」ではなくなることが問題視されているのです。
振込手数料は従業員負担が一般的ではあるものの、給与前払いサービスの仕組みが各種法律に抵触していないかよくチェックすることが大切です。
なお、きらぼしテックの「前給」は、給与スキームではなく従業員への社内融資制度とすることで、振込手数料を従業員負担とすることが可能であると整理しています。
さらに、従業員が前払い金をデジタルマネーの「ララPayプラス」で受け取った場合、振込手数料は発生しません(一定の条件を満たせば無料)。
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給与前払いサービスの手数料に関してよくある3つの質問と回答
最後に、給与前払いサービスの手数料に関してよくある3つの質問に回答します。
気になったものがあれば、ぜひチェックしてみてください。
【質問1】給与前払いサービスの手数料は違法ではない?
給与前払いサービスの手数料が法律に抵触しないかどうかは、そのサービスがどのような仕組みで運用されているかによります。
例えば、「立替型」の給与前払いサービスでシステム利用料(月額費用)が従業員に転嫁されている場合、サービス内容次第では利息制限法に抵触する恐れがあるため注意が必要です。
違法な給与前払いサービスを利用しないためにも、サービス検討時は事前に顧問税理士や顧問弁護士と相談してから導入するのがおすすめです。
なお、下記記事では違法な給与前払いサービスを利用するリスクや見極めポイントを解説していますのでご参照ください。
【質問2】給与前払いサービスの手数料の相場は?
定率型の場合、システム利用料(月額費用)は3〜6%で設定されていることが多いです。
利用申請額が20,000円だったときは、企業が600円〜1,200円のシステム利用料を負担するイメージです。
しかし、システム利用料・振込手数料が非公開になっているサービスや、企業ごとに異なる金額を設定しているサービスも少なくありません。
そのため、給与前払いサービスの導入前には公式サイトを閲覧したり、営業資料を取り寄せたりして手数料の金額についてよく確認するのがおすすめです。
【質問3】システム利用料(月額費用)は定率型と定額型のどちらが良い?
給与前払いサービスを検討する際、定率型と定額型のどちらを選ぶべきかは、従業員の利用回数や利用率などを勘案したうえで判断するのがおすすめです。
例えば「定率型」の場合、利用する金額が多ければ多いほどシステム利用料(月額費用)の負担額も大きくなってしまいます。
一方で「定額型」の場合は、従業員が給与前払いサービスを利用する回数が多ければ多いほどシステム利用料(月額費用)の負担額も大きくなります。
したがって、定率型と定額型のどちらが良いかは一概にいえません。
また下記のように、給与前払いサービスが定率型・定額型をそれぞれどの程度で設定しているかによっても金額は変わってきます。
自社が導入する場合のシステム利用料はいくらになりそうか、事前にシミュレーションしてから導入するのも良いでしょう。
ただし、給与前払いサービスの選定で重視すべきポイントは「手数料」だけではありません。
給与前払いサービスの選定ポイントを詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
給与前払いサービスの手数料は導入前にしっかりと確認することが大切
今回は、給与前払いサービスの手数料について解説しました。ここで、これまでお伝えした内容をまとめます。
給与前払いサービスの手数料は、負担額や仕組みがサービスによって異なります。
「利息制限法」や「労働基準法」などが絡んでくるため、各種法律に抵触しないサービスを活用するようにしましょう。
なお、きらぼしテックの「前給」は、社内融資型という独自のスキーム(仕組み)で運用し、各法律を意識した安心安全のサービスです。
2005年にはビジネスモデル特許を取得し、パイオニア的存在として飲食業や人材サービス業をはじめとする各業界の大手企業に採用されてきました。
利用方法も簡単で、従業員が「スマートフォン」または「PC」で申し込むと最短で即日振込も可能です。
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